気腫性骨髄炎は、ガス産生菌による感染を原因とする、骨髄炎のまれな亜型です。
診断
骨内のガス像が診断的所見であり、近傍の軟部組織にも認められることがあります。培養検体や生検により原因菌を同定できます。
病理
よく報告される原因菌はグラム陰性菌で、以下のものが挙げられます:
- フソバクテリウム・ネクロフォラム (Fusobacterium necrophorum)
- 大腸菌(Escherichia coli)
- バクテロイデス属(Bacteroides spp.)
- クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)
菌は血行性に体軸骨格へ播種します。一方、足部感染は虚血や糖尿病による組織潰瘍を契機に生じ、多菌性感染となることが多いです。合併症もよく見られます。
好発部位
椎体が約40%の症例で罹患します。骨盤や足部の感染も報告されています。
画像所見
骨内ガス像(軽石サイン)の存在を特徴とし、骨および軟部組織の感染所見を伴います。
治療と予後
静脈内抗菌薬による緊急治療が病変の拡大抑制に有効です。足部の壊死組織は、血流が途絶しているため切断術が適応となります。死亡率は最大32%に達します。
参考記事:
Weerakkody Y, Rasuli B, Emphysematous osteomyelitis. Reference article, Radiopaedia.org (Accessed on 06 May 2026)
気腫性骨髄炎のCT


両側腸骨内には多数のガス像が認められ、特に左腸骨に多く、軽石サインを呈しています。
腸骨には、骨皮質のびらんも見られます。
軽石サインは、CTにおける気腫性骨髄炎の特徴的な画像所見を表すもので、髄腔内に3か所を超える明瞭なガス像が集簇し、その大きさが2〜5 mmで不規則にばらつき、軽石の表面に類似した外観を呈するものを指します。
このサインは気腫性骨髄炎に特異的であり、特異度は96%とされています。
Case courtesy of Hoe Han Guan, Radiopaedia.org. From the case rID: 167457


胸骨および椎体、椎体周囲の軟部組織にガス像が見られます。多発性気腫性骨髄炎の所見です。
Case courtesy of Ammar Haouimi, Radiopaedia.org. From the case rID: 72523
気腫性骨髄炎は稀な疾患ではありますが、特徴的な画像所見を知っていれば診断は難しくありません。見逃しを防ぐための一助として、キー画像とともにご紹介しました。
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Case courtesy of Hoe Han Guan, Radiopaedia.org. From the case rID: 167457
Case courtesy of Ammar Haouimi, Radiopaedia.org. From the case rID: 72523
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