症例:50歳 男性。腹痛と腹部膨満。過去に虫垂切除術の既往歴あり。
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画像所見
右腸骨窩内に小腸の一部が閉鎖ループ閉塞を形成しています。閉塞に関与している小腸は拡張しており、液体が充満しています。一部では粘膜の造影効果が低下しています。腸管気腫は認められません。この閉鎖ループに流入する腸間膜血管には渦巻き状のパターンが見られます。
腹水を認めます。
門脈内ガス、腹腔内遊離ガスは認めません。
結論:
右腸骨窩内に小腸の閉鎖ループ閉塞があります。この閉鎖ループ閉塞に関与している小腸の一部に造影効果の低下を認め、腸管虚血が疑われます。腸間膜血管の渦巻き状パターンから、閉鎖ループ閉塞の原因は小腸捻転によるものと考えられます。
画像解説
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捻転により腸間膜の血管が渦巻状に見えることを whirl sign といいます。

線で囲まれた腸管が closed loopです。閉鎖腔の入口では、腸管が締め付けられています。
腸間膜の脂肪織濃度上昇は、浮腫や出血を示唆します。

絞扼部位(矢印)

造影効果の低下した小腸(矢印)
症例の経過
患者は緊急開腹術が施行され、右腸骨窩内の癒着の深部に小腸捻転が認められました(過去の虫垂切除術に続発したものと推定されます)。捻転を解除したところ、約10cmの短い小腸区域に壊死が確認され、これはCTで同定された造影効果低下部位の小腸に一致していました。
Case courtesy of Kenny Sim, Radiopaedia.org. From the case rID: 35190
本症例は小腸軸捻転による closed loop obstruction でした。小腸軸捻転は絞扼性イレウスの一種です。絞扼性イレウスと聞くと腸管壊死が必ず起こるイメージがありますが、実際には程度は様々で、closed loop 全体が壊死に至っている場合もあれば、CTで明らかな虚血所見を認めない場合もあります。また、closed loop より口側の腸管が拡張している場合もあれば、本症例のように拡張を認めない場合もあります。
絞扼性イレウスを正しく診断するには、閉塞・絞扼部位を正確に同定することが重要であり、それが緊急手術の適応判断や術前の病態把握につながります。
参考記事:
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Case courtesy of Kenny Sim, Radiopaedia.org. From the case rID: 35190
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